メガネ手帖

メガネ手帖

メガネが綴る日々の出来事、妄想、空想、よしなしごと

人をダメにする

先日、無印良品の店の前を通ったら、店頭に「人をダメにするソファ」が置いてあった。
 
「人をダメにするソファ」というネーミングは面白いしいいとは思うんだけど、このネーミングが成り立つためには、人は「普段はダメではない」という大前提がある。普段はちゃんとしている人が、このソファに座ることによってダメになる。そういうストーリーが求められる。
 
そうなると、僕はここに座る資格があるんだろうかと不安になる。自慢ではないが僕は人としてダメなので、ここに座って「あ〜、これはいいわ、ダメになるわ〜」とか言う資格はない気がする。なにしろソファーに座る前から、そもそもダメなのだから。
 
そうやってソファに座るか否か逡巡していると、横からヤンキーカップルがやってきた。男の方は金髪ピアス、ブカブカのパンツを腰履きにした、いかにもな外見だった。その2人が、ソファーを見るや否や「お!ダメになるソファーじゃん」と言ってドカッと座り、「お〜こりゃいいわ、ダメになるわ〜」と言って悦に入っていた。
 
いやいや待て待て待て。ちょっと待て。なにが「ダメになるわ〜」だ。お前はそこに座る前からダメだろう。(※偏見です)お前はどうせ、クラスみんなが掃除してる時に掃除をせずにサボってたりしてただろう。万引きの1つや2つはやってるだろう。そんな台詞は真人間になってから言え。
 
こういうことを考えてしまうからダメ。人をダメにするソファーに座る前から人としてダメ。
 

ときめきセンサーがビンビンになる

同僚が「来年はポルトガルに旅行に行く」と言っていて、大変羨ましい気持ちになった。僕の最も行きたい国の一つだ。

なんで僕は行きたい気持ちになってるんだろうと思い返すと、以前一緒に働いたポルトガル人のイケメンが、ことあるごとに「ポルトガル美しい国だ」と言いながら綺麗な写真をバンバン見せてきたものだから、行ってみたい気持ちが刷り込まれてしまったようだ。

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しかしこの、自国の写真を見せながら「美しい国だろ?」と言える感じはとてもカッコいい。祖国を誇らしく思っているところが最高にクールだ。ただ、よく考えれば彼はいつもこんな感じだった。

ある朝イチの会議で難しい議題が上がった時、少し遅れて彼がやってきた。難しい顔をしている僕らを見て「どうした?」と説明を促す。一通り彼に説明した後、少しの沈黙の後に彼は「問題は分かった。俺たちには足りないものがある。」と言った。そして全員をゆっくりと見渡し、ニヤッと笑った後パチンと指を鳴らし「モーニングコーヒーだ」と言い、会議室から出て行ってしまった。

全員が置いてけぼりをくらう中、あまりのカッコよさに僕は完全にシビれてしまった。なんだアレ。出て行くのかよ!というツッコミが不粋に感じられてしまう、完璧にクールな佇まいだ。笑いを飛び越えてもはや胸がときめく。

また別の日のこと。彼も含めた数人で新システムの課題について話し合っていると、彼が「そもそも、俺たちが新しいシステムを入れたい理由はなんなんだ?」と根本的な問いを投げかけてくる。

僕らは「◯◯の生産性向上が…」などと答えていると、彼は「ノンノン」と言いながら指をチッチッと横に振った。この時点で僕のときめきセンサーは反応していた。そしておもむろに、またしてもニヤリと笑いながら「Make life better(人生を良くするためだ)」と言った。

シビれる。スケールが我々とは違う。ものすごくデカく言えば合ってるので「いや、まぁ、そうなんだけどさ…」としか言えない。何かに答えているようで何にも答えていない。まるで禅問答のようだ。ポルトガル人から禅問答を教わるとは思ってなかった。

 

ブログをはじめてみる

メガネを変えました。これで現役の持ちメガネが3つになったので、ちゃんと置いておく場所を作ろうと思い、100均で買ってきた棚を本棚の横に打ち付けてみました。

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なかなかいい感じに仕上がったので気に入っている。嬉しい。ずっとメガネを置いておきたいからコンタクトにしようかな。

それはさておき、ブログ上でこんな事を言うのもなんですが、ブログを始めてみます。40歳からブログを始めるなんてどうかしてる、と思われそうですが、実際にどうかしているので問題はありません。

きっかけはある人から「アウトプットの練習のために、毎日ブログを書いている」という話を聞いたこと。前からそういうの大事だと思ってたんだけど、いざやってる人を目の前にして「よし、俺も」と思った次第です。40代に始めてみる「新しいことその1」である。とはいえすぐやめるかもしれないが、まぁやらないよりはいいだろう。

というわけで、このブログはこれから「毎週更新」を目指して頑張ります。一応ネタ系だけでなく真面目な話とか読書感想とかも書いていこうと思っています。

何も書いてないのも寂しいので、とりあえず昔のmixiとかFacebookに書いていたもののうち、気に入っているものをいくつか移行しました。電車待ちの暇つぶしに最適と思いますので、お気に入りにでも入れて読んでもらえたらこれ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

君はもう米津玄師を読めるか

タイトルのきっかけはTwitterで「うちのオカンがテレビで米津玄師の曲が流れてきた時、『あ、わたしこれ知ってる…げ、げん…玄米師匠!』って言ってた」というツイートを見て爆笑してしまったこと。

 
最初の『げ…げん…』ってところからもう間違ってる。玄米師匠て。なんの師匠なんだよ。いや、玄米か。玄米の師匠ってなんだよ。他にも白米師匠とか十五穀米師匠とかいるのかよ。米一門かよ。外国人の弟子を連れてきて「ブレンド米 一平」とか名付けるのかよ。
 
とまぁツッコミどころ満載なんですが、この爆笑はそれを揶揄する意味ではなくて、「分かりすぎる」という共感のアレだ。確かに米津玄師って字面は玄米師匠っぽさがある。そして玄米師匠って名前はどこかで聞いたことがあるような気さえする。ダウンタウンのごっつええ感じにそういうキャラがいたような。非常に座りがいい、玄米師匠。
 
はー面白かった、とひとしきり笑っておいてなんだが、ちょっと不安になった。そもそも僕もちゃんとした読み方してるんだっけ?僕はずっと「よねづげんすい」だと思ってたけど、これもひょっとして間違ってるのかも知れない。不安になって調べてみたら、なんと正しい読み方は「よねづけんし」だった。
 
散々笑っていた僕も間違ってた。よねづげんすいってどっから出てきたんだ。おそらく「げんすい」ってのが「師」という文字と「玄」の音から勝手に「元帥(げんすい)」を想像してそう読んだんだろう。元帥というのは陸軍幹部の階級名だ。思わぬ方向で僕の中二な感性が露になってしまい、大変恥ずかしい結果となってしまった。
 
いやいやしかし、こうなると「よねづけんし」っていう読み方の方がおかしいんじゃないのか。読めないよ。百歩譲っても「よねづげんし」だろう。活動名義をつけるのであれば、もうちょっとみんな間違えないような名前にするべきじゃないのか、そう思ってWikipediaを読んでいたら、なんと米津玄師は本名だった。
 
ちょっと待って、そうなってくると全然話変わってくるよ。そういうのはもっと早く言ってくれないと。よねづけんし君はなにも悪くなかった。それなのに、君のこと誤解していてごめんよ。本当に申し訳ない。どうか許してください、玄米師匠。

浮き輪を頭にのせた人

夏休み前半戦が終わった。
・イラスト教室と通天閣
・マックアドベンチャー
・おもちゃ王国 アカプルコ

マックアドベンチャーマクドの店内に入って見学し一部作ることができるサービス)に参加した後、娘たちとハッピーセットを食べていた。ふとトレイを見ると、バイト募集のチラシが載ってたので「バイトできるようになったらどこで働きたい?」と聞いたところ、2人とも「洋服屋の店員」と即答した。そこはマクドだろ。空気読め。

子供たちが一番テンション上がってたのはアカプルコ(プール)だった。それ自体は予想の範囲内だったんだけど、プールの数日前から「新しい水着がかわいいから早く着たい」とワクワクしていたのは女の子だなぁと感心する。小学生男子には絶対にない発想である。

じゃあ自分が小学生男子の時はどんなこと考えてたのかなと思い返すと「おちんちーん!」とか言って爆笑していた気がする。さすが小学生男子と言いたいところだが、40目前になった今でも僕は「おちんちーん!」とか言って爆笑してる気がする。全然変わっていない。

今回のプールのハイライトは、流れるプールで娘に浮き輪を渡され、それを「日よけになるわ」と頭に被っていた妻。しばらくした後、娘から「浮き輪かして」と言われ、「あれ?浮き輪がない!流されたのかも!!」って超真顔で言ってきた。その頭にはでっかい浮き輪。真顔で浮き輪を頭にのせた人が「浮き輪がない!」って言うんですよ。笑うしかないでしょ。

ピエールの苦悩に想いを馳せる

娘の希望により、リカちゃん展を見に明石に行ってきました。

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個人的にはさすがに全く興味ねぇな…と思いながら行ったんですが、600点もの人形、ドールハウスが並ぶ姿は圧巻でなかなか見応えがあった。よくもまぁこんなに揃えたものだと感心する。

何気なく見ていると「リカちゃんのボーイフレンド・わたるくん」という人形を発見。へぇ、と思って見てると娘が「今ははるとくんって言うんだよ」と言ってきた。今は?改めて見るとわたるくんのところには「初代」と書いてあった。マジか、入れ替わってるのかよ。じゃあはるとくんはと見ると「5代目」って書いてあった。確かリカちゃんは小学5年生。11歳で5人もボーイフレンドが入れ替わっているのか。とんでもない女だ。

面白いなと思って真面目に説明書きを読んでいくと、さらにリカちゃん世界の広がりが分かってくる。まずリカちゃんの名前は香山リカ。母は香山織江、父は香山ピエール。おお、リカちゃんはハーフだったのか。しかし苗字は香山。おや、と思って確認すると、父方の祖父はアルベール・ミラモンド、祖母はエレーヌ・ミラモンド。なるほど、お父さんの元の姓はミラモンドか。ということは、お父さんのピエールは婿養子ということになる。

婿養子をとるということは、香山家は富豪ということなのか。後継ぎのために婿入りしたピエール。ということは、男子を生むことを宿命づけられていたのかもしれない。しかし最初の子であるリカちゃんの姉は女の子、リカちゃんも女の子。さらに次に生まれた双子もどちらも女の子だった。

これはピエールからすれば相当焦ったのではないか。次第に織江(リカちゃんの母)の両親から追い詰められて行くピエール。次こそは男子を。そんな精神的プレッシャーで過ごす毎日。やっとできた次の子供はなんと3つ子だった。どうか、どうか男の子を。祈るような気持ちのピエール。そして生まれた子は、2人は女の子だったが1人の男子が誕生した。げん君、彼が香山家の次の跡取りになるだろう。何気なく並んでいる3つ子の赤ちゃん、しかしここに「げん君」がいることで、どれだけピエールが救われたことだろう。僕は香山家のドラマを垣間見た気がする。

入る時は「興味ねぇな」と思って入ったリカちゃん展。出る時には「よかったな、ピエール」と感情移入して出ることとなった。そんなリカちゃん展は明日まで開催中。

鼻毛の伸びる早さについて考える

鼻毛が伸びるのが早くなっている気がする。

朝顔を洗い、歯を磨いていると「あれ?もう鼻毛出そうになってる」となることが増えてきた。昔は何週間に1度手入れすればよかったはずだが、今は毎週やらないと危険なペース。鼻毛が伸びる速度って、歳をとると早くなるものなのか?

たまに「鼻毛が信じられないくらい飛び出てるおじいさん」というのを見かけることがある。「じじい、ちゃんと手入れしろよ」と思っていたが、あれはひょっとして朝に手入れしてキレイになっていたのに、昼頃にはもう飛び出てしまっていた、ということだったのかも知れない。歳をとるとそれくらいの速度で伸びるようになる。そう考えると、あの束になって飛び出てる鼻毛にも合点が行く。知らないうちにグングン育っているのだ。まったく油断ならない。

他にもそういうものがあるんじゃないか、と思っていろいろ考えていたら、自分の身体ではないが「友達の子供の成長の早さに驚く」ということもよくあるな、と思い至った。「ついこないだまではこんなに小さかったのに、もう喋るようになってる!」とか。あの成長する速度も凄まじいもので、まったく油断ならない。

この2つの「知らないうちにグングン育っている」という類似性に気がついてしまったせいで、今後久しぶりに友達の子供を見て「大きくなったね〜!」と思ったとき、頭のどこかで「僕の鼻毛と一緒だ」と思ってしまう可能性がある。友達の子供を鼻毛と同列に考えてしまう。

家族ぐるみでお付き合いするにあたり、僕はこっそり「おたくの息子さん、僕の鼻毛と同じですね」という目で見ているかもしれませんが、悪気はまったくないので許して下さい。