メガネ手帖

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メガネが綴る日々の出来事、妄想、空想、よしなしごと

ピエールの苦悩に想いを馳せる

娘の希望により、リカちゃん展を見に明石に行ってきました。

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個人的にはさすがに全く興味ねぇな…と思いながら行ったんですが、600点もの人形、ドールハウスが並ぶ姿は圧巻でなかなか見応えがあった。よくもまぁこんなに揃えたものだと感心する。

何気なく見ていると「リカちゃんのボーイフレンド・わたるくん」という人形を発見。へぇ、と思って見てると娘が「今ははるとくんって言うんだよ」と言ってきた。今は?改めて見るとわたるくんのところには「初代」と書いてあった。マジか、入れ替わってるのかよ。じゃあはるとくんはと見ると「5代目」って書いてあった。確かリカちゃんは小学5年生。11歳で5人もボーイフレンドが入れ替わっているのか。とんでもない女だ。

面白いなと思って真面目に説明書きを読んでいくと、さらにリカちゃん世界の広がりが分かってくる。まずリカちゃんの名前は香山リカ。母は香山織江、父は香山ピエール。おお、リカちゃんはハーフだったのか。しかし苗字は香山。おや、と思って確認すると、父方の祖父はアルベール・ミラモンド、祖母はエレーヌ・ミラモンド。なるほど、お父さんの元の姓はミラモンドか。ということは、お父さんのピエールは婿養子ということになる。

婿養子をとるということは、香山家は富豪ということなのか。後継ぎのために婿入りしたピエール。ということは、男子を生むことを宿命づけられていたのかもしれない。しかし最初の子であるリカちゃんの姉は女の子、リカちゃんも女の子。さらに次に生まれた双子もどちらも女の子だった。

これはピエールからすれば相当焦ったのではないか。次第に織江(リカちゃんの母)の両親から追い詰められて行くピエール。次こそは男子を。そんな精神的プレッシャーで過ごす毎日。やっとできた次の子供はなんと3つ子だった。どうか、どうか男の子を。祈るような気持ちのピエール。そして生まれた子は、2人は女の子だったが1人の男子が誕生した。げん君、彼が香山家の次の跡取りになるだろう。何気なく並んでいる3つ子の赤ちゃん、しかしここに「げん君」がいることで、どれだけピエールが救われたことだろう。僕は香山家のドラマを垣間見た気がする。

入る時は「興味ねぇな」と思って入ったリカちゃん展。出る時には「よかったな、ピエール」と感情移入して出ることとなった。そんなリカちゃん展は明日まで開催中。