人をダメにする
先日、無印良品の店の前を通ったら、店頭に「人をダメにするソファ」が置いてあった。
「人をダメにするソファ」というネーミングは面白いしいいとは思うんだけど、このネーミングが成り立つためには、人は「普段はダメではない」という大前提がある。普段はちゃんとしている人が、このソファに座ることによってダメになる。そういうストーリーが求められる。
そうなると、僕はここに座る資格があるんだろうかと不安になる。自慢ではないが僕は人としてダメなので、ここに座って「あ〜、これはいいわ、ダメになるわ〜」とか言う資格はない気がする。なにしろソファーに座る前から、そもそもダメなのだから。
そうやってソファに座るか否か逡巡していると、横からヤンキーカップルがやってきた。男の方は金髪ピアス、ブカブカのパンツを腰履きにした、いかにもな外見だった。その2人が、ソファーを見るや否や「お!ダメになるソファーじゃん」と言ってドカッと座り、「お〜こりゃいいわ、ダメになるわ〜」と言って悦に入っていた。
いやいや待て待て待て。ちょっと待て。なにが「ダメになるわ〜」だ。お前はそこに座る前からダメだろう。(※偏見です)お前はどうせ、クラスみんなが掃除してる時に掃除をせずにサボってたりしてただろう。万引きの1つや2つはやってるだろう。そんな台詞は真人間になってから言え。
こういうことを考えてしまうからダメ。人をダメにするソファーに座る前から人としてダメ。