メガネ手帖

メガネ手帖

メガネが綴る日々の出来事、妄想、空想、よしなしごと

ときめきセンサーがビンビンになる

同僚が「来年はポルトガルに旅行に行く」と言っていて、大変羨ましい気持ちになった。僕の最も行きたい国の一つだ。

なんで僕は行きたい気持ちになってるんだろうと思い返すと、以前一緒に働いたポルトガル人のイケメンが、ことあるごとに「ポルトガル美しい国だ」と言いながら綺麗な写真をバンバン見せてきたものだから、行ってみたい気持ちが刷り込まれてしまったようだ。

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しかしこの、自国の写真を見せながら「美しい国だろ?」と言える感じはとてもカッコいい。祖国を誇らしく思っているところが最高にクールだ。ただ、よく考えれば彼はいつもこんな感じだった。

ある朝イチの会議で難しい議題が上がった時、少し遅れて彼がやってきた。難しい顔をしている僕らを見て「どうした?」と説明を促す。一通り彼に説明した後、少しの沈黙の後に彼は「問題は分かった。俺たちには足りないものがある。」と言った。そして全員をゆっくりと見渡し、ニヤッと笑った後パチンと指を鳴らし「モーニングコーヒーだ」と言い、会議室から出て行ってしまった。

全員が置いてけぼりをくらう中、あまりのカッコよさに僕は完全にシビれてしまった。なんだアレ。出て行くのかよ!というツッコミが不粋に感じられてしまう、完璧にクールな佇まいだ。笑いを飛び越えてもはや胸がときめく。

また別の日のこと。彼も含めた数人で新システムの課題について話し合っていると、彼が「そもそも、俺たちが新しいシステムを入れたい理由はなんなんだ?」と根本的な問いを投げかけてくる。

僕らは「◯◯の生産性向上が…」などと答えていると、彼は「ノンノン」と言いながら指をチッチッと横に振った。この時点で僕のときめきセンサーは反応していた。そしておもむろに、またしてもニヤリと笑いながら「Make life better(人生を良くするためだ)」と言った。

シビれる。スケールが我々とは違う。ものすごくデカく言えば合ってるので「いや、まぁ、そうなんだけどさ…」としか言えない。何かに答えているようで何にも答えていない。まるで禅問答のようだ。ポルトガル人から禅問答を教わるとは思ってなかった。