クリーミー系坊主
週末、図書館に行ったらオススメ図書のところに「美坊主図鑑」というものが置いてあった。サブタイトルは「お寺に行こう、お坊さんを愛でよう〜イケメン、癒し系からクリーミー系まで」。
なんというか、どこから突っ込んでいいのかわからない図書だ。なんで西宮図書館はこの本をオススメ図書にしたんだろう。誰のニーズを反映してるんだ。それとも僕が知らないだけで、世間はこの本を奪い合う程に空前の美坊主ブームなんだろうか。
あとイケメン、癒し系坊主ってのはまだなんとなく分かるが、「クリーミー系坊主」っていうのはどういう坊主なんだろう、全く想像がつかない。想像はつかないけど、なんとなくクリーミー系の坊主にお経はあげられたくないな。そんな発見をした土曜日でした。
そして奇しくも日曜日は法事だった。
昨日の発見のせいで、どんなお坊さんが来るのかついいつもと違う目でチェックしてしまう自分がいた。その心配をよそに、ごく普通の年配のお坊さんが来てくださった。よかった、たぶんクリーミー系坊主じゃない。僕は人知れず安心していた。
お坊さんがお経を詠む。親族がお焼香をあげる。そして般若心経のサビ、サビという概念はたぶんないだろうけど「南無阿弥陀仏」を連呼するところにきて、不意にお坊さんが「ご一緒に」と言った。
「ご一緒に?」僕は混乱した。これまで38年間生きていて、お経を一緒に詠むことを勧められたことはなかった。お経ってそんなライブ感覚で詠むものでしたっけ。「Say 南〜無!」「南〜無!」って返すものでしたっけ。
いいの?適当に唱えていいの?と困惑する僕をよそに、みんな思い思いの言い方で「南無阿弥陀〜」って言い出した。マジか。みんな順応しすぎだろ。しかしここでたじろいでる場合じゃない。僕もこのリリックに身体を預けて唱えなければ。
とりあえず「南無阿弥陀仏〜」って言ってみる。すると意外とテンポや音程を覚えているもので、思ったよりもスッと入ることができた。たぶんみんなも同じだろう。そして段々と一体感を増していく会場。今、仏壇の前のみんなが1つに…!
というわけで、今週は「ライブに行ってた」ってことにします。いいライブだったな。