金田一少年はクリスマスに向いてない
今年も無事クリスマスのミッションを終えた。いつも家に飾っているツリーの下に「サンタさんへ プレゼントありがとう☆このお菓子を食べてね」という手紙と、お菓子をのせた皿を置いておくというのが我が家のルールで、それを食べながらプレゼントを大きな袋に入れてツリーの下に置く、というのが僕のお決まりのルーチンだ。
そして翌朝、娘たちはサンタさんからのプレゼントに喜び、はしゃぐ。そしてお父さんに嬉しそうに報告する。「サンタさんがプレゼント置いてくれてたよ!」その笑顔に僕は満足していると、ふと娘が言った。「あれ?サンタさん、お菓子のお皿どこにやったのかな?」
ん?ずいぶん細かいところに目がいくな。。あれは昨日洗ってキッチンに置いてある。よく考えればサンタが洗うのもおかしかったな、しかしまぁ勘ぐりはしないだろう。そうタカをくくっていたのだが、娘は執拗に聞いてくる。
「ねぇねぇ、お皿どこにいったのかな?」そしてあたりをキョロキョロし、ついにキッチンに置いてある皿を見つけてしまう。「あれ?キッチンにお皿が洗っておいてあるよ?」
ヤバい、見つかった。これはごまかすしかない。「ホントだね、サンタさん洗ってくれたのかなー?」と言って誤魔化そうとする僕。しかし娘はまだ食い下がる。「でもサンタさんどうやって洗ったのかな?洗剤ある場所知ってたのかな?」
くっ、思ったよりしつこいな。このしつこさは…これはひょっとして、娘は僕を疑っているのではないだろうか…?
僕をサンタと見抜いた上で、その仕事の粗さを指摘して追い込んでいるのではないだろうか?そんな疑念が頭をもたげる。そういえばなんかニヤニヤしてる気がする。大人のくせに、ツメが甘いわねと嘲笑うような顔してる。これはアレだ、金田一少年が犯人の目の前で、犯罪の手口の粗を指摘しまくって辱めるやつと同じだ。(画像参照)
負けてたまるか。ここで僕は小さな嘘を守るために大きな嘘にでる。「サンタさんも色々いるからね。このお家の担当のサンタさんは几帳面だったんじゃないかな」
すかさず娘の興味はそちらに向く。「えっ?サンタっていっぱいいるの?」「そうだよ、1人だったら世界中の子供にプレゼント渡せないから、日本の西宮市担当のサンタってのがいるんじゃないかな」「へー!そうなんだ!」すっかり騙された娘は、もうお皿のことは忘れていた。ははは、大人の底力を見たか。
たぶんあと数年で娘はこの嘘に気付く。いずれはバレる嘘なんだけど、それはもうちょっと後でもいいじゃないか。もうしばらく、娘がサンタを純粋に信じる姿を見ていたい。メリークリスマス!