メガネ手帖

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メガネが綴る日々の出来事、妄想、空想、よしなしごと

バーベキューインストラクターへの道

先日、同僚と「BBQ講習&検定」というものに行ってきた。

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「BBQ検定?なにそれ?」と思われた人もいるだろう。安心してほしい、僕だってなんなのかよくわかってない。よくわからないけど面白そうだから参加してみたら、狭い会議室が満席、40人以上のおっさんが集まる大盛況の講習だった。

開始時間になると、おもむろに日本BBQ協会会長であるテンガロンハットのおじさんが前に立って講習を始めた。開口一番「今日は皆さんのBBQの概念をぶち壊しにきました」といきなり宣戦布告。やる気満々である。会場に渦巻く期待と不安、この妙な空気を味わうだけで来た甲斐があるというものだ。

その後も「日本はBBQの後進国である」「日本のBBQの光景は河原にゴザを引いてただ肉を焼いて食ってる。あれではまるで難民だ」などなど、日本のBBQを貶める発言を連発するテンガロンおじさん。そうか、これはまず僕たちの自尊心をへし折る作戦だな。お前たちはBBQ敗戦国だと刷り込み、敗戦国敗戦国らしく下を向いて、BBQ勝者の施しを受けろと言っているのだ。

かつて日本が戦争に負けた時、進駐軍が我が物顔で街を闊歩し、日本の子供達にチョコレートをバラまいていたと言う。チョコが欲しい子供は、進駐軍に向かって「ギブミーチョコレート!」と叫んだ。それは英語を覚えてまで施しを受けたいという、子供達の切実な叫びであった。

BBQ敗戦国の刷り込みを受けた僕はすっかり負け犬の気分になって、テンガロンおじさんから施しを受ける気持ちでこう叫んでいた。ギブミーチョコレート!ギブミーバーベキューソース!

いや、まぁ嘘ですけど。その後もGHQ、じゃなかったBBQ先生の指導は熱を帯びる。実演で炭のおこし方、炭の配置と火加減の調整方法、肉の扱い方など丁寧に教えてくれ、最後に検定試験を受け、見事合格しましたので、僕は晴れてBBQインストラクターとなる資格を得ました。

なかなか面白かったので興味のある方はぜひ行ってみるのもいいと思う。特に印象的だったのはやはりテンガロンおじさんの話だろう。とにかくBBQ熱がスゴい。おじさんがヒートアップして熱く語れば語るほど、会場のみんなとの温度差が広がっていくあの感じ。BBQも人間関係も「火加減が大事」ということを、僕はこの講習から学びました。