メガネ手帖

メガネ手帖

メガネが綴る日々の出来事、妄想、空想、よしなしごと

声姫

トイレに「音姫」という装置がある。

女性が用を足すとき、音が回りに聞こえてしまうのが恥ずかしいから水を流していたらしいのだが、大企業なんかではその水道代だけで数千万円の費用がかかっていたそうだ。それを「音がする機械=音姫」をつけただけで、まるまる水道代が減り、数千万円の経費削減につながったらしい。

嘘みたいな話だなぁ。そもそもこんなニーズがあるなんて知らなかった。こんなささいな改善で数千万円、これはすごいことだと思う。

でも当然、音姫を設置するのに設備投資がかかる。全部のトイレにつけるわけだから、結構な金額になるだろう。体力の弱い企業こそ経費削減をしたいはずだが、そもそも体力がないからこんな高い初期投資はできない、というジレンマもありそうだ。

そこでそんな企業に朗報だ。僕が考えた経費削減策を提案しよう。会社に1つ、社訓を追加するだけでいい。

「トイレに入るときは、携帯で電話してるフリをすること」

つまり、トイレに入ったら必ずみんな携帯を片手に、「もしもーし?田中さーん?」とか喋りながら用を足すのだ。そうすれば用を足してる音は聞こえないし、フリだからお金もかからない。まさに一石二鳥。不況にあえぐ中小企業を救う画期的な戦略だと言えよう。

ただ問題は、誰がトイレしてるのかバレバレだってことだ。
「誰かが音を立てて用を足しているわ」 と思われるか、
「〇〇さん、うんこしているのね」 と思われるか、
どちらがいいかは個人の判断によるところだ。僕は前者の方がいいが。