メガネ手帖

メガネ手帖

メガネが綴る日々の出来事、妄想、空想、よしなしごと

いやらしい

先日、電車で座ってたら僕の隣に派手なお姉さんが座った。座る瞬間にチラッと見えただけだが、たぶんけっこう美人さんだ。しかも格好も挑発的。だけど隣だから全然見えない。なんてこった。

ちくしょうと思って歯噛みしていたら、僕の向かいに座ってるおっさんがそのお姉さんをジロジロ見てるのを発見した。そりゃもういやらしい目つき。下から上へ、上から下へ、舐めるように見るってのはこういうことだなぁと感心するほどだ。

うわぁ、おっさん面白いなぁと思って見ていたら、そのおっさんと目が合ってしまった。そしたらおっさんは恥ずかしそうに目線を逸らし、自分が持っている小説に目を戻してしまった。

ああ、ごめんよおっさん。せっかく目の保養を楽しんでいたのに、隣の男にその様子を見られてたんじゃあ恥ずかしいわな。無粋なことをして申し訳ない。

そこで紳士たる僕は、カバンから小説を取り出して読むことにした。ほらおっさん、僕はこの通り本を読んでいて、おっさんのことなんてノーマークさ。思う存分お姉さんを見るといい。

1分ほどして、僕は小説からこっそりおっさんに視線を戻す。するとおっさんは、携帯をいじるフリをしながらやっぱりお姉さんをジロジロ見てた。あはは、正直だなぁおっさん。おもしろいぞ。

で、このいやらしさを皆さんに伝えようと日記を書き出したわけですが、「携帯を見るフリをしながらお姉さんをチラチラ見てるおっさんを、小説を読むフリをしてチラチラ見てる僕」というのは完全に同類であるということに、書きながら気付きました。