記録よりも記憶に
仕事上、お客さんの前でパワーポイントを使って説明ということがよくある。いわゆる「プレゼン」というやつだが、今度の説明会の順番を見てあることに気が付いた。
この説明会のメインは最後に説明する人のやつで、他のやつは補足説明のような感じなのだ。全部で6つの説明項目があるうち、僕の説明の部分は4つめ。つまりちょうど真中のあたりで、一番中だるみしてしまう部分である。
ここで普通に淡々と説明しては、おそらく皆の記憶に残るプレゼンにはなりえないだろう。「早く終われよ」とかそういう視線を浴びる羽目になる。 それは絶対に避けたいところだ。
そこで僕は考えた。こういう長丁場ではいったいどういう方法をとるべきなのか。研究材料として「紅白歌合戦」を改めて見ていると、ある一つの事実に気付いたのである。それは、「小林幸子」の存在だ。
彼女はいつも、全時間の真ん中よりちょっと後らへんで出番が用意されている。これは間違いなく、NHKの中だるみを防ぐ作戦に違いない。彼女のような存在がいれば、長丁場での中だるみを防ぐことができるのである。
つまり、衣装対決だ。
何千万円も賭けられた、衣装だか装置なのかわからない服を身にまとい、電飾をちりばめてお客さんの前に立つ僕。説明中にも衣装が一瞬でチェンジ。黒子に脱ぎ捨てた衣装を片付けさせるのも忘れてはいけない。
クライマックスに近づくにつれ、ワイヤーに吊られて段々と宙に浮いていく僕。お客さんの頭上を華麗に舞い、そのまま会議室を退場。